レイアップ


「なるほど。そうなってくると大事だな。」

「学校側の対応は早かった。騒ぎが大きくなる前に、早急に二人を排除したの。キャプテンの生徒は自主退学。顧問の教師は解雇処分。不祥事を塗り消すように、学校は徹底的に後始末をした」

「それでバスケ部ごと消したのか」

「連帯責任。キャプテンと顧問の教師との関係を隠していたってことで、バスケ部は廃部」

「それはいくらなんでも強引じゃないか。当事者の二人は仕方ないにしても、あとの部員には関係ないだろ。それで他の部員はあっさり廃部を受け入れたのか?」

「私も同じ質問を先輩にした。だけど、部員からは何の声も上がらなかったらしい。学校と対立してまでバスケをしたいと思った人は一人もいなかったんだって。学校も彼女達の学歴を傷付けないように、部員全員が卒業するまでバスケ部に籍だけは残した」

「廃部になった一方で、書類上では三年間スケ部所属か。大人の考えそうな汚ない取り引きだな」

「そして今年の三年生が卒業すれば当時のバスケ部員は全員卒業。これで完全に学校からバスケ部が消えるってわけ」


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