レイアップ


「思いついたその日にあっさりヒット。同じ中学だった二コ上の先輩が面白おかしく教えてくれた。噂の始まりは二年前。その頃はまだ、私の学校にもバスケ部があった。部員も沢山いて、練習もバレー部とコートを分けあって練習してたんだって。でも、あるときバスケ部の中で変な噂が流れ始めた。」

「変な噂って?」

「バスケ部キャプテンと顧問教師の禁断の恋」

雲行きが怪しくなってきた。特に女子高ともなれば、生徒にとっては格好のネタになるだろう。だが、その程度の噂でバスケ部そのものが消えてしまうとは思えなかった。

「その二人は付き合ってたのか?」

ミウは静かに頷いた。

「若くてイケメンで、生徒からも人気のある先生だったらしい。でもね、その先生は結婚もしてて子供もいたの。多分遊びのつもりだったんじゃないかな。だけど、遊びにならない事件が起こった」

若くして家庭を持ちながら、女子高生の愛人と遊ぶ幸せ一杯のイケメン教師。そんな色男が犯した痛恨のミス。いや、天罰なのかもしれない。どちらにせよ同情の余地はなかった。

「妊娠させちゃったらしいの」

死亡フラグ確定。遠くで女子高生たちの楽しそうな騒ぎ声が聞こえた気がした。

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