不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「危ないよ!」

 たまたまフラついただけだ。
 なのに藤野くんは部屋の前まで送るから、と心配そうな顔を向けた。
 大丈夫だよ、転んでこんな寒い路上で寝たりしないと私が訴えても無駄のようだ。

 腕を支えられたまま数メートル歩くと、アパートの下に人影が見えた。
 不審者だろうか。さすがに気味が悪い。
 藤野くんについて来てもらって、ここは正解だった。

 ……そう思った瞬間、その長身な人影には見覚えがあり、こちらにズカズカと近づいてくるのが見える。

「なにをしてるんだ、こんな時間まで」
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