不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 そんなに私って、食べ物に関して貪欲に見えてたのだろうか。
 私はただ正直に、おいしいものをおいしいと言って食べているだけなんだけれど。

「ま、味わって食べようよ。明日からはこんなに悠長に昼飯食ってられないかもしれないから」

「明日から?」

「例の大口の仕事。それにしても、三人が午前中ずっと会議なんて珍しいよな」

 そう言われれば。あの三人は今日、お昼ご飯すらゆっくり食べられないのではないだろうか。
 なのに私と藤野くんは、温かいお蕎麦で至福のひとときを味わっている。
 なんだか途端に申し訳ない気持ちが湧いてきた。

「昨日の会議、取引先の要望が強くて……ちょっと険悪な感じになったみたいだよ。そのせいで先方の担当者が変わったって染谷さんが言ってた」

「そ、そうなんだ……」

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