不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 ビルの隙間の路地を進むと、昔ながらのレトロな定食屋さんがそこにあった。
 中に入ってみると、スーツ姿の男性客でいっぱいだった。
 
 湯気の立ったお蕎麦を目の前にすると、私も途端にお腹の虫が鳴る。
 ものすごくおいしそうで、それだけでウキウキしてしまう。

「いっただきまーす!」

 両手を合わせ、熱々のお蕎麦を実際に口にすると、心も身体もぐっと温まった。
 仕事の疲れを一瞬忘れさせてくれるひとときだ。

「おいしい! 天ぷら蕎麦、最高!」

「あはは。緒川さんって、なんでもうまそうに食べるね」

 前から思っていたけれど、などと言われると、さすがに恥ずかしくなって顔が熱くなる。

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