不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「とにかく、今日の夜だけはダメなんだ。接待はお前と部長でなんとかやっといてくれよ」

「今日だけは、って……いったいどんな用事ですか?」

「………」

「あ! まさか、ホワイトデーだからデート、とか言わないですよね?」

 風見さんの顔を覗き込んで、田中さんが面白がるように言う。
 それを聞いても風見さんは表情を緩めることなく、不機嫌そうに無言を貫いた。

「え、もしかして図星ですか?! 泣く子も黙る風見さんが……仕事よりデート優先とは……」

「うるさいな! 今日の予定は前々から決まってたんだよ。それに接待は俺がいなくても大丈夫だろう?」

「いや、ダメですよ! 向こうの部長さんが親睦を深めるために、って言ってるんですから。仲里さんだって風見さんを連れてきてほしいって」

 なんとしてでも、と食い下がる田中さんに対し、風見さんのイライラが積もり積もっていくのが空気でわかる。
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