不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 今日は接待があるのか。
 仲里さんの名前が出ているということは、J&Uの人たちの接待だ。

 そもそも接待は仕事のうちだ。
 私の中にもちゃんと、そういう認識はある。

「デート、ほかの日にずらせませんかね?」

 田中さんが申し訳なさそうに両手を合わせて懇願している。

 それを見た風見さんは不機嫌そうにしながらも……内心は迷っているのだとわかった。
 本当は田中さんを助けてあげたいはず。風見さんは、そういう人だ。

「あ、じゃあ! 俺が直接頼んでみますよ。全部俺のせいってことにしますから。ね!」

「お、おい!」

「今、いますよね? 緒川さん、でしたっけ?」

 いきなり自分の名前が会話に出てきて、驚いて心臓がドキンと大きく波打った。


< 215 / 298 >

この作品をシェア

pagetop