不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 最大限がんばって無理して笑うと、それを見た風見さんの口元が苦々しくムニュっと歪んだ。
 隣にいた田中さんが「ほらー、彼女もそう言ってくれてますし!」と調子のいいことを言っていたけれど。
 それは耳に入っていないかのように無視して、風見さんは切なさを含んだ切れ長の瞳で私を射貫いた。

「食事は……あらためてまた今度にしましょう?」

「いいのか?」

 最後通告のようにそう聞かれ、私はコクリと頷いた。

 これでいい。
 風見さんがデートをキャンセルしたんじゃなくて、私がしたのだ。
 風見さんは何も悪くない。

 それに、デートがあるからと最初は接待を断ろうとしてくれていた。
 私のほうを優先しようとしてくれたのだ。

 その事実だけで、胸がキュンとなってうれしかった。

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