不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「だけどさぁ、緒川さんと風見くんが付き合ってるのを知ってるわけでしょ? それでよく緒川さんに手を出そうとしたわよね。呆れるわ」

 信じられない、とばかりに言葉を吐き捨てて、瀬戸さんが赤ワインを口に含む。
 その飲みっぷりが、女の私から見ても凛としていて、とてもカッコいい。
 こんな女性になれたらなぁと、憧れてしまうくらいに。

「緒川さん自身、狙われていたことに気づいてないってことは、風見くんも気づいてないの?」

「えっと……そうだと思います」

 私が鈍感すぎて、なんにも気づいていなかったという可能性も大いにあるけれど、プライベートでの風見さんとの会話で、染谷さんの話題が出たことは一度もない。

 染谷さんが風見さんのいるところで私に意味ありげな行動を取ったことも一度もないから、私が密かに狙われていたのは、風見さん自身も知らないと思う。

「もし風見くんの耳に入ったら、嫉妬して怒り狂うだろうけど」

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