不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「今日の緒川さん、元気がないなと思ったら……それが原因?」

「……まぁ、そうですね」

「でも、知らな~い」

「あのぅ、それってウソですよね?」

 おどけて首を横に振る瀬戸さんに、私は苦笑いを浮かべながら伺うように下から顔を覗き込む。

 いくら鈍感な私でも、先ほどの表情の変化で、瀬戸さんがなにかを知っていて口ごもったのはわかったから。
 そして今、私のためを思ってシラを切ろうとしてくれたことも。

「緒川さん。あなたがそういうことを気にするタイプだとは思わなかった」

「……え」

 たしかに普段の私なら、過去のことなんて気にしないように頭から払拭する。
 だけど仲里さんのことは、過去のことでありつつ……そう言い切れない気がしている。

 だってふたりはまた再会してしまったから。

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