不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 私の胸の中で、なにかがストンと落っこちて、それと同時に急激に目頭が熱くなってきて、両目が潤んで涙でいっぱいになった。

「緒川さんは我慢しすぎ。だって誰にも譲れないでしょ? 風見くんのことは」

 やっぱり瀬戸さんはすごい。
 すぐに核心に辿り着いて、なかなか割れずにいた私の中の臆病な殻に簡単にヒビを入れてくれた。

 生きてきた年月が私より少しばかり長いだけで、どうしてこんなに素敵な言葉がかけられるのだろう。

 ……経験値の差? いや、人間性や器の違いだ。

「はい。絶対に譲れません」

「だったら、」

 女神様のような緩慢な笑みを浮かべ、瀬戸さんが私をじっと見据えて言う。

「待ってないで、自分からいかなきゃ」

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