不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 思い返してみると、風見さんと付き合うことになったときもそうだった。

 惚れるなと言われていたのに好きになってしまって、どうしていいかわからずに精神的に追い詰められた。
 仕事をしていても集中力が続かなくて、挙句、風見さんを目の前にして泣きだした。

 あのとき、全部言えと風見さんに背中を押されなかったら、自分の気持ちなど言えていなかったと思う。
 どんなことを口にしても真摯に聞いてくれそうな風見さんを目の前にして、それでようやく言えたのだと思うから。

 心の中でただ思っていたって、言葉にしなければ伝わらない。

 それを相手が聞き出してくれるタイミングでしか言えないなんて……
 私は臆病者だし、他力本願にもほどがある。
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