不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 どうやら風見さんは、私が暴漢にでも襲われたと勘違いしていたみたい。
 ただ転んだだけなのだと恥ずかしながらもそう伝えると、ホッと胸をなでおろしていた。

「誰も私なんて襲いませんから」

「あほか!!」

 いつもの「あほか」よりも、けっこう語気が強めだ。
 それだけ心配してくれた、ということなのかな。
 眉間にも激しく皺が寄っている。

「お前が誰かに強姦なんかされたら、俺はソイツになにをするかわからん」

 なにをするかわからんって……冗談ですよね?
 などと軽々しく言える表情を風見さんはしていなかった。

 本当に絶対にその相手を許さない、とでもいうような険しい表情だ。

 ……架空の話だから、怒るような“相手”はいないのに。


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