不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 時計の針が二十時を過ぎた頃、残っていた仕事もそこそこに俺はオフィスビルをあとにした。

 本当に清瀬は向かいのカフェにいるのだろうか。
 ……いや、あれだけ真剣な眼差しで言ってきたのだから、おそらく本当に俺を待っているのだろう。
 気が滅入りながらも、俺はそのカフェに足を向けた。

「ずっとここに居たのか?」

 やはり清瀬はカフェにいた。
 俺が入ってきたことに気づいていなかったのか、声をかけると驚いた顔をして、手にしていたスマホをバッグに押し込めた。

「お疲れ様です」

 清瀬はそう言いながら、椅子から立ち上がってコートを羽織る。

「場所を変えませんか? ここは会社の目の前ですから目立ちますし」

 そうは言っても、この時間にまだ会社に残っている人間は少ないが。
 とりあえず清瀬の提案に賛同してカフェを出た。

< 60 / 298 >

この作品をシェア

pagetop