不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 堂々と交際宣言をしたわけではないが、俺が緒川と付き合っていることはうちの部で知らない人間はいないはずだ。
 清瀬だって、それはわかっているだろうに。
 そう考えると、ますますなぜだという気持ちが湧いてくる。

「こんな場面を見たら、緒川さん……どう思うでしょうね」

 未だ俺の背にぴったりとくっついたまま、清瀬が言う。

「……おい、」

「緒川さんだって、陰でなにやってるかわかったもんじゃないですよ」

「……どういう意味だ」

 今までは清瀬を必要以上に激高させないように、口調も静かにイライラを封じ込めていた。
 だけど先ほどの清瀬の発言に対してだけは、さすがに感情を乗せずにはいられない。

――― アイツの名前を出されたら。


< 75 / 298 >

この作品をシェア

pagetop