不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「ちょっと、考え事をしていました」

 思いがけずに部外で会話が出来たことが嬉しくて、パーっと笑顔で話しかけてしまいそうになる衝動をぐっと堪えた。
 ここは会社だし今は仕事中だ。

「柄にもなく、さっきのお前、眉間にシワが寄ってたぞ?」

 呆れ声でそう言われ、長い中指でトンと眉間をつつかれた。
 あわてて眉間を押えるのと同時に顔を赤くしてしまう。

「今から外出ですか?」

「いや。第三営業部の部長に呼ばれてミーティングだ」

 営業部……今はその言葉を聞くだけで気が重くなってくる。
 一瞬のうちに顔が引きつりそうになるけれど、そこは動揺を隠して笑顔を保った。

< 88 / 298 >

この作品をシェア

pagetop