不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 なにげなく周りをチラリと気にした風見さんが、高い位置にある顔をすーっと私の顔に近づけてきた。

「週末、うちに来ないか?」

 風見さんが小さく私に耳打ちをした。

「泊まってけよ」

「え、あ、はい……」

「なんだその返事。嫌なら無理強いはしないが」

「嫌じゃないですよ! 私、ご飯作ったりお掃除したり、なんでもしますから」

「あほか。そんなことをさせるために呼ぶわけじゃない」

 ポーンとエレベーターが到着の音を告げたところで、風見さんが私から離れていき、何事もなかったかのように足早に機内に乗り込んで行った。
 今のは……白昼夢だろうか? まさかそんなはずはない。

 ということは、週末は風見さんのマンションへ行き、ふたりきりで過ごせるのだ。しかもお泊り。

 どうしよう、想像しただけで緩んだ顔が元に戻らない。

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