巡逢~茜色の約束~
無意識に、……本当に無意識に、1人の時間を拒んでた。

誰かが傍にいる暮らしを、俺は望んでたんだ。

1人に慣れたとはいえ、その環境を好きになれる筈なかったんだよ。



少し、考える時間がほしいと伝えた。

断れなかったのは、自分のため。

だけど受け入れることも出来なかったのは、親友の存在があったから。

どうすればいいかなんてわからない。

何が答えかなんて、誰も教えてくれない。

こんなときに頼る筈の大人は、変わらず俺の傍にはいなかった。



練習にも身が入らなくて、監督にすっげぇ怒られた。

普段なら取れるフライも落として、ゴロは綺麗にトンネルしたなぁ。

そりゃあ、怒られて当然だ。



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