好きになんてなるわけねーだろ!!!
ご飯を食べ終わって、歯磨きをしていると、幸が入ってきた。
「杏奈ちゃん!髪結って!!」
長いさらさらの髪の毛をそのままに駈け込んでくる。
『おー、おはよ!待ってて!』
私はさっと口をゆすいで、幸を部屋に連れて行った。
『ゴム何色がいい?』
「んー。先輩いるし、黒でいいや。」
そっか、中学ってそうだったなー。
先輩におびえて過ごした1年生のころを思い出す。
『でも幸2年じゃん!紺色にしてみない?』
「紺色?」
鏡を通して目を合わせる幸に、紺色のゴムを見せる。
「うん!黒よりかわいい!」
元気にそういうから紺色に決定―!
『1つ?2つ?』
「2つ!!」
希望により2つ縛りにしていると、部屋に裕太が入ってきた。