好きになんてなるわけねーだろ!!!


静まり返った私たちの時間。

雨の降る音だけが私たちの間に流れていた。


「…まさかとは思うけど。」


さっきとは違う意味で、どくんと心臓が跳ねる。


「お前、意識してんの?」


半笑いで言った光輝に、私は顔を真っ赤に染める。


『…んなわけない、し!!ばかじゃないの!?』


私が言うと、光輝は、浅く笑いをこぼして傘を拾った。


「…はは、だよな。てか冗談だから。そんな真っ赤になるなよ!」

『なっ。赤くなんて、っ。なってないし!?』

「どの顔が言うんだか。」


頬を突っつかれて、私がさらに赤面したことは言うまでもない。

それに気付いたのか気付いてないのか、光輝は笑い声をあげて歩き出した。

私は慌ててそれについていく。


…意識、してた。


私、光輝に。

光輝のこと、意識してたんだ…。

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