ツンデレ専務と恋人協定
専務が何て言うのか怖くて瞳を閉じてしまいそうになる。

だけど、ちゃんと受け止めなきゃいけないんだ。

専務がちゃんと気持ちをぶつけてくれて、不器用ながらも告白をしてくれたんだから。


「…女にフラれるの初めてで、こう言うとき何て言えばいいのかわかんねぇ」

「ごめんなさい。会社も辞めます」

「契約は終わりだが、会社は辞めなくていい。辞めたら返す金も返せねぇだろ」


貯金もなく、借金がある私には会社を辞めるのは大変なことだ。

専務はそれをわかってくれているんだろうけど、甘えるわけにはいかない。


「ありがとうございます。だけど、やっぱり会社は辞めます。お金は何としてもお返ししますので」


専務のそばにいたら、好きという気持ちが抑えられなくなりそうで怖いっていう理由もあって会社を辞めた方がいいと思った。


「何としてもって…とりあえず会社は残れ。俺の顔を見るのが嫌なら秘書からは外してやるから。辞めたいなら借金を返してからにしろ」


もしかしたら、専務は借金返済のために会社に残らそうとしているのかもしれないけど、専務のことを信用している私には優しさにしか思えなくて胸が苦しくなる。


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