ツンデレ専務と恋人協定
勝手に顔の筋肉が緩んでしまう。


「何嬉しそうな顔してんだよ!」

「え、してないですよ」


焦った私は持っていたビールの缶を口につけて勢いよく流し込んだ。

専務はそんな私をニヤニヤしながら笑いを堪えたような表情で見てくる。

久しぶりに専務のこんな表情を見たな。


「私!もう寝ます!おやすみなさい」


そう言って、ベッドへと向かって布団の中へと入った。

寝ると言ったものの、専務がいるこの状況で簡単に寝れるわけがない。


しばらくして専務も電気を消して布団の中へ入ったのが音でわかった。


「栞奈、お前が借金返し終わるまで待ってる。今日はそれを言いたかったんだ」

「………」


嬉しいけど、会長との約束を考えれば何て言えばいいかわからなかった。

それに借金を返し終わるのも何年かかるかわからないのに。


「…栞奈?もう寝たのか?」

「………」


寝たフリをするなんて卑怯だってわかってるけど、私は何も口にすることができない。

返事をすれば泣いていることに気づかれてしまいそうでできなかった。


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