ツンデレ専務と恋人協定
気持ちを伝えて良かったかなんてわからないけど、それでもこの笑顔が私の心を癒してくれた。

私が好きだと言っただけでこんなに喜んでくれる人はこの人しかいないと思う。

借金のことも会長のことも何も許されたわけじゃないけど、専務のそばで頑張っていいのならそうしたい。


「それでは、私は帰ります」

「はぁ?」


変に真面目な私はこんな時にでも目の前の幸せだけに浸ることはできずに、明日のこととか会長のこととか考えて心配になってしまう。

明日、会長に全てを話に行こう。


許してもらえる可能性なんてなさそうだけど、このまま嘘をついたままじゃいられない。


「専務も気をつけて帰ってください。おやすみなさい」

「帰すわけないだろ」


帰ろうとする私の腕を掴みながら専務がそう言い、私を引き止めた。


「タクシー乗れ」


そう言った専務によって、強引にタクシーへと乗せられた。

タクシーの運転手さんに告げられた行き先は私の住むマンションの近くの交差点で、私はおとなしくそのままタクシーに乗っていた。


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