ツンデレ専務と恋人協定
「借金を全部返せたら、その時また聞いてくれますか?」


その時になれば専務のことをどう思ってるか聞かれたら、素直に好きだって答えられると思うから。


「俺は今のお前の気持ちが知りたい。借金とか関係なく俺のことだけ見て、どう思ってるのか知りたい」


専務は自分の胸から私を離すと顔を覗き込んできた。


「毎日、栞奈のことばかり考えておかしくなっちまいそうだ」

「私もです」


精一杯の勇気を出してそう言うと、専務は大きなため息をついた。


「お前、俺に惚れてんじゃねぇか」


そう言いながら専務は私の頭を優しく撫でる。

私はそれだけで幸せな気持ちになるくらい、専務のことが本当に好きらしい。


「好きだって言えよ」


もうこれ以上は誤魔化せないよ。


「好き、です」


借金のことも会長のことも忘れたわけじゃないけど、気持ちを抑えることはできない。


「やっと聞けた!ずっとその言葉だけが聞きたかった」


専務はそう言って嬉しそうに笑ってくれる。



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