ツンデレ専務と恋人協定
常務がやってきただけなのに何故か私は焦りの様なものを感じて、後ろにいる専務を見ることができない。


「栞奈さんに用事があったんだけど、李人がいるならまた今度にするよ」


焦っていたのは私だけみたいで、常務は専務の問いに冷静に返している。


「だから、その用事ってなんだよ?」

「李人には関係のないことだから」


肩には後ろにいる専務の手が置かれて重みを感じる。

その手からも専務がイライラしてるのが伝わってきた。


「俺には知られたくないことか?」

「と言うより、お前がいたら出来ない話だ」


専務がいたら出来ない話っていったいなんだろう?
仕事の話かな?
でも、常務のことなら仕事の話だったら会社でしそうだけど。


「なら、一生話すな!こいつは一生俺といる」

「お前は2年間アメリカに行くだろ!?」


え?アメリカ?
2年間ってことは今までみたいに出張とかってわけじゃないんだよね。

そんな話は専務から何も聞かされていない。


「だったら何だよ?」


いきなり知った専務のアメリカ行きに動揺していると、否定をしない専務の言葉が聞こえて、私は後ろを振り返った。

振り返った私の視線と専務の視線はぶつかったけど、常務の声が聞こえてきて、その視線はすぐに離される。


「栞奈さんを連れていくな!今日は栞奈さんに日本に残ってほしいって話しにきたんだ」


専務がアメリカに行く?
常務は私に日本に残ってほしいって言うけど、一緒に行こうって言われていないし、それにアメリカ行きも知らされてなかった。

どうしてそんなに大事な事を話してくれなかったの?


「何でお前が栞奈にそんなこと言うんだよ!関係ねぇだろ」

「関係なくない!俺も栞奈さんが好きだ」


え?
2人の会話を黙って聞いていても、もう何が何だかわからない。

頭の思考が停止してしまったように、ボーッとする。


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