ツンデレ専務と恋人協定
と言うか、同棲を反対されていたと思ったのに、私を認めてくださっているかの発言に、いまいち状況が理解できない。


「だけど、同棲は許しません。世間がなんて言うか」


やっぱり同棲は許してもらえないんだと落ち込む私は、再び会長に驚かされる。


「だから、結婚しなさい」

「え?」


け、結婚!?
どういうこと?


「結婚なら世間も何も言わないでしょう。アメリカへ行く前に結婚すること!それが、あなたたち二人が一緒に暮らせる唯一の選択肢よ!いいわね?李人」


隣に座る専務を見ると、専務も驚いた表情をしている。


「アメリカで成功して帰ってきたら、会長の椅子は李人に譲るわ」


会長はそれだけ言うと、少し休むと別の部屋へと入って行ってしまった。

私と専務は会話もないまま会社を出て、専務の車へと乗り込んだけど、車内でも二人とも考え事をしていて会話は無かった。


「腹減ったな。飯食うか」


無言を先に破ったのは専務だった。

夕飯も食べずに会長に会いに行っていた私たちはお腹を空かせていて、専務の暮らしているホテルへとやって来た。

部屋に入るなり、専務はルームサービスを頼んでくれる。

その間も、専務が頼んでくれた夕飯のメニューよりも、結婚のことが気になって仕方ない。

前に専務から少しだけ結婚のことを言われた事があった。

だけど、あの時は借金を返すのに少なくとも2年はかかると思っていたから、結婚なんてまだまだ先の事だと思っていた。


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