ツンデレ専務と恋人協定
専務はスタイルだっていいし、タキシードも似合うからいいよ。

でも、私は女子力っていうものに全く目覚めたことのない人間だったから、スタイルも肌も何もかも自信がない。


「ちょっとでも綺麗な花嫁だって思われたいんですよ」


専務にふさわしいって思われなくても、不釣り合いだとは思われたくない。


「誰に思われたいんだよ?海里か?」


怒ったようにそう言う専務。

どうして今、常務の名前が出てくるの?
まだ常務のことを気にしていたんだろうか?

あれから常務とは仕事以外全く関わりがないのに。


「女心を全然わかってないよ!」


結婚式の前夜なのにこんな言い争いをしてるなんて悲しくなる。

だけど、わからず屋の専務に言い返さずにはいられない。


「常務だけじゃなくて、皆からも、李人さんからも綺麗だって思われたいんだよ」

「…わかったよ。でも飯はちゃんと食え」


いつも私が何か言うと、最終的には専務が折れてくれる。

そして、今みたいに申し訳なさそうな顔をみせて、私もそれを見て申し訳ない気持ちになる。




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