ツンデレ専務と恋人協定
よく来てくれる常連客もいて、お姉ちゃんの妹ってことで仲良く話すお客さんもいる。

だけど、このお客さんは知らない。

なのに、なんでいきなりこんなことを言うのか意味がわからない。

不思議に思ってお客さんの顔を見ていたらお客さんが話し出した。


「昨日、そこの席でクビになったって騒いでいたろ」

お客さんはそう言って、私が昨夜座っていた席を指差した。

その指された先は間違いなく昨夜私が座っていた端の席だった。


「俺、昨日もこの席で飲んでたんだよ」


あ、それでか!
私の話を聞いていたんだ。

昨夜はお姉ちゃんに煩いって言われるくらい騒いでたもんね。

そりゃ、聞かれていても不思議じゃない。

だけど、全然この人のこと記憶にないな。

まあ、昨日は回りを見る心の余裕なんてなかったから仕方ないけど。


「とりあえず、生をくれ」

「あ、はい!畏まりました!」


私は生ビールを入れ持っていった。

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