ツンデレ専務と恋人協定
「仕事紹介してやろうか?」

「え?」


お客さんはビールを勢いよく口に着けた。

私はその姿を黙って見ていた。

今、仕事を紹介してくれるって言った?
どういうことだろう。


「ヒカリホールディングスって知ってるか?」

知ってるも何も知らない人なんかいるの?

携帯や電気器具とか作っている、あのヒカリホールディングスでしょ?

あんな有名な一流企業を知らない人なんていないよ。

「働く気があるなら明日俺を訪ねてこい」

そう言って、名刺を渡された。

その名刺には“専務取締役・麻生李人(アソウリヒト)”と書かれていた。

若そうなのに専務だなんてすごい。

だけど、スーツも高そうなものを着ているしすごく仕事ができるんだろうな。

それに髪の毛もビシッとセットされていて顔もイケメンだ。

目力が強くて引き込まれててしまいそう。


まあ、イケメンとかそういうのはどうでもいいとして。

なんで、そんな人が私に仕事を紹介してくれようとするの?

それも、ヒカリホールディングスなんてすごい会社。



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