夢幻泡影
回復

山崎が持ってきたお粥を土方がふーふーと
冷ましている

瑛は布団に横になっていた


『どうしてここで食べるの?』


「よし!そろそろ食べ頃だ!起きろ!」


瑛は起き上がる


『食べさせろってことね!』


土方からお茶碗とおさじをとり、ふーふーして土方の前におさじを持っていく


「はぁ?お前が食べんだよ!」


瑛が首を傾げる


瑛からお茶碗とおさじを取り返し


「ほら、口開けろ!」


『土方さんは風邪ひいてても、人を優先にするのか?』


「あーんしろ!あぁんぐっぇ!」


土方の口が開いたから、沖田の時と同じようにおさじを口へ押し込んだ


「ごほっ!うめぇ!
じゃねぇ!だから、おめぇが食べんだっつってんだろ!」

『どうして?』

瑛布団の上に膝立ちになり、土方のおでこに手を当てる


「何やってんだ?」

『凄い!!熱まで綺麗になくなっている!』


瑛は土方から手を離して、おでこをみる


『あたしの汚れが消える!』


瑛はおでこと自分の手を交互に見た



「なんだ !? お粥食べろよ!///」




土方は

瑛が庭に出て、雪をた投げたり

足を拭いてくれたり

喋ろうとしたり

お粥を自分に食べさせようとしたり

顔や手を見たり


瑛が人としての心を取り戻しはじめたことが、嬉しかった


相変わらず無表情だが、反応示すようになった瑛が可愛く思えて仕方なかった





結局、瑛はお粥を食べなかった

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