夢幻泡影
その頃、会合から抜け出した

吉田と桂が、宿に戻っていた

「瑛がいない」

「会合の場所は、言ってないはずだが?」

「いや…瑛なら、わかる!
桂さん!!俺…瑛を迎えに行きます!」

「今、戻るなんて危険だ!!」

「瑛がいないなら、逃げる理由はありません!!」

「なら、私も!」

「いえ!俺だけで…もし、俺に何かあったら、瑛とお腹の子供をお願いします!」


吉田は、池田屋へ走った





その頃、瑛は二階で汗を大量にかいて

倒れている沖田を見つけていた


「沖田さん!!どうしたの?沖田さん!」


月明かりに沖田の口元に血が見えた

『吐血?』

瑛に迷いはなかった、沖田の刀で舌を切り

沖田の口を塞いだ

沖田の意識が少し戻る

「んんんっ!!」


目が冷めたら、瑛に口づけされている

驚きや、恥ずかしさでたまらないが

体に力が入らない

瑛の舌が口内を動く




やっと手が動いて、瑛が口づけを辞める


「う゛っ えっぐっゲホッ!ゲホッ!」

「瑛…どうしたの?」

沖田が上半身を起こし、背中を擦る

「うっうっくっはぁはぁうぅぅ」

「総司!!瑛!!」

土方が、二階へ上がってきた

「総司!どうした!?」

「すみません、私の治療をして…」

「平助と永倉の傷も治療したみたいだ
負担かかったんだろうな」

土方が瑛を抱きしめる

安心し、瑛が意識を失う
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