夢幻泡影
戦闘
瑛が目覚めたのは宵五つの鐘がなった頃

「目が冷めたかい?」

「あなたは?」

「桂 小五郎です!
吉田君の可愛い人がここにいると聞いてね?」

「あなたが!!桂さん!!
瑛です!稔は?」

「会合だよ!私もそろそろ行くよ!」

「あたしも!連れて行って!」

「君は、体を大事にしないと! ね?」

「はい」


吉田から、逃げる時に桂が手伝ってくれると聞いていた

桂を見送り

半刻

『やっぱり行こう!!』

場所は聞いていなかったが、いつも池田屋を使う


なるべく体に負担が、かからないように歩く

走ればすぐだが、歩くしかない


池田屋の近くまで来ると、騒ぎが聞こえた


『始まってる!!』


近くの屋根に上がり、池田屋に入り込む

庭に降り、中へ入る

「うわぁぁぁぁあぁぁぁ!!」

『藤堂さん!!』


額から血を流す藤堂を見つけた


吉田との約束があったが…

出血を止める程度の治療をしようと

藤堂の刀を握る

「瑛!!平助なら、大丈夫だ!!」

永倉が瑛を止めようとしたが…

左の掌から出た血を口に含み、藤堂の額に

口づけをするように血をつけ

少しずつ舌で傷を舐める

何度か繰り返すうちに、傷がうっすら閉じ

出血が止まった


「ゲホッ!ゲホッ!う゛うっ 」


「瑛!!大丈夫か?」


「ゴホッ!大丈夫です!
あ!!永倉さんも怪我!!」

「俺は、たいしたことねぇよ!!」


「ダメ!!刀が握れなくなる!」

藤堂にしたように永倉の傷を治す

「もう、いいぞ!!
土方さんに見られたら、俺…殴られる!」


「ゴホッ!ゲホッ!ううっ!」

「瑛!!もう、力使うな!
なんか、体調悪そうだぞ??」

クラクラする頭に浮かんだ

『稔を探さなきゃ!!』

立ち上がり、永倉の制止を振り切り

二階へ









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