【完】千鳥の舞う花火。








俺が地元に戻れることが嬉しい……というか、地元に戻りたい理由。





高校三年生の健全男子のくせして、こんな理由、女々しいのかも知れない。





……俺には、好きな人がいる。



中学一年生の頃から五年間、ずっと想い続けてた人が。





向こうは俺を覚えてないかもだけど、地元に戻れば“会える”という気持ちが大きくて、実は少しだけワクワクしていた。





五人の中で、このことを知るのは明だけ。



隠しているわけじゃないけど、わざわざ話すことでも無いだろ。





「……やっぱ秘密。」





迷った挙げ句、二人には話さないことにした。



知れば多分コイツら、からかってくると思うから。








< 8 / 121 >

この作品をシェア

pagetop