聖夜に舞い降りた天使
「アンジュ……」
困ったように呟く僕にアンジュが僕の手をとった。
「お願い……
一晩だけでいいから。ここにいさせて……」
僕の手をとったアンジュの手は僅かに震えていた。
僕はそれ以上何も言うことができず、
黙って頷いた。
「ありがとう」
アンジュは潤んだ瞳で僕を見上げた。
彼女が先程公園で歌っていた
「Les anges dans nos campagnes」がラジオから流れていた。
「もう遅いし、そろそろ寝ようか。
僕のベッドを使って。
部屋まで案内するよ……」
「えっ、ルネはどこで寝るの?」
心配そうに尋ねるアンジュに安心させるように笑顔で言った。
「僕はリビングのソファで寝るから大丈夫だよ」
暖炉の火を消し、
飲み終えたマグカップをキッチンのシンクに置くと
携帯ラジオを持ってリビングを後にした。