聖夜に舞い降りた天使

「アンジュ……」





困ったように呟く僕にアンジュが僕の手をとった。










「お願い……

一晩だけでいいから。ここにいさせて……」










僕の手をとったアンジュの手は僅かに震えていた。





僕はそれ以上何も言うことができず、
黙って頷いた。





「ありがとう」


アンジュは潤んだ瞳で僕を見上げた。





彼女が先程公園で歌っていた
「Les anges dans nos campagnes」がラジオから流れていた。










「もう遅いし、そろそろ寝ようか。
僕のベッドを使って。

部屋まで案内するよ……」


「えっ、ルネはどこで寝るの?」


心配そうに尋ねるアンジュに安心させるように笑顔で言った。


「僕はリビングのソファで寝るから大丈夫だよ」





暖炉の火を消し、
飲み終えたマグカップをキッチンのシンクに置くと
携帯ラジオを持ってリビングを後にした。




< 13 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop