聖夜に舞い降りた天使
アンジュは立ち上がり、歩き出そうとした瞬間
フラリと身体をよろめかせた。





「アンジュ!?」


側へ寄って支えようとする僕に笑みを向けた。


「ごめんなさい…
たぶん初めてのお酒で酔っちゃったんだわ……」


アンジュは心配しないで、というように
僕の手を制して今度はしっかりと立った。







アンジュの気配を後ろに感じながら、
少し先に立って歩くと部屋へと案内した。





「何もないけど、どうぞ」


アンジュはいったん扉から顔を覗かせて部屋を見回すと足を踏み入れた。


「本当に、何もないのね……」


アンジュは驚いたように呟いた。


「うん、必要なもの以外置かないようにしてるから」





生活するのに必要なもの、それさえあればあとは何もいらない。





「でも、クリスマスらしいものが何もないのは寂しいわ……」





アンジュらしい、というか彼女らしさというものが本当に分かっているのか自信はないが、
そんな言葉に思わず微笑んだ。





「リビングにクリスマスツリーがあるじゃないか。
あれで十分だよ」


「あれも綺麗だけど、やっぱり自分の部屋にも飾らないと!
うーん……」





アンジュはしばらく考え込んだ後、部屋を見渡した。




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