聖夜に舞い降りた天使
「え…」





アンジュの綺麗な顔が僕の顔に寄せられる。

美しい曲線を描く長い睫毛と艶のある唇が僕を誘う……





その柔らかな温かみをもう一度感じたくて、唇を重ねた……





お互いの熱を分け合うような優しい口づけなのに、重ね合わせた唇の熱が身体中を巡り、
身体の芯から新たな熱が生まれるのを感じた。










長く唇だけを重ねた後、角度を変えながら優しく唇を啄んでいく。


「んっ……」


アンジュの小さく漏れた声が僕の欲情を高めていく。


アンジュの細い腰に手を回して華奢な身体を引き寄せた。





僕の鼓動とアンジュの鼓動が重なって、それが速まると同時に気持ちが高揚する。

それとともに口づけも熱を帯びて深くなっていく。





アンジュをもっと感じたくて……

アンジュもそれに応えるように……

お互いの舌を絡ませ合い、甘い吐息を漏らす。





アンジュが僕の肩に手を置いて、一瞬きつく掴むその仕草がまた僕を煽らせた。





唇が離れる瞬間、うっすらと瞳を開けたアンジュの表情が艶かしくて、
彼女の中に見えた『女』にドキドキと胸の鼓動が速まった。










「キスがこんなに気持ちいいものだったなんて、知らなかった……」


アンジュは僕の胸に顔を寄せて囁いた。





「一晩中でもしてたい」


そう言ったアンジュに笑みを溢す。


「一晩中キスしてたら唇が腫れるよ」





アンジュはガバッと顔を起こすと僕を見上げた。


「いいの。そしたらぷっくりセクシーな唇になれるでしょ」


「もう君は十分にセクシーだよ……
僕を翻弄するぐらいに」





見上げたアンジュの唇を優しく指でなぞった。










(アンジュ……

なんて不思議な子だろう……





君といると、僕の中から愛おしい想いがどんどん溢れ出してくる……)






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