聖夜に舞い降りた天使
その声に振り向く。
服装から判断してここの看護師らしかった。


彼女はアンジュの顔を覗き込むと

「やっぱりそうだ。昨日の回診の時にいないと思ったら……
……大変だわ………」

彼女の顔色が変わる。

「ちょっと、ストレッチャー持ってきて!早く!!」

彼女は傍を通りかかった別の看護師に声をかけた。

すぐさまストレッチャーが来ると毛布ごと彼女を乗せ、エレベーターへと向かった。


「いつからこの症状が出たの?」
「今朝です」
「今朝の、何時?」
「確か7時頃かと」

彼女は腕時計をチラッと見た。

「もう10時近い……3時間近くたってるわね。

バルト医師、呼んできてくれる?」

もう一人の看護師が頷いた。

エレベーターが止まるとストレッチャーとともに病室へと向かう。

もう一人の看護士はバルト医師を呼ぶ為に別方向へと歩いて行った。




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