続 音の生まれる場所(上)
「そう言えば…真由、坂本さんと付き合ってるの?」
急に思い出したらしく、夏芽がこっちを向いた。
「らしーぜ」
「もっさんが言ってた」
「へぇー、やったじゃん!」
その言葉にテレる。昨日の練習中、皆に私のことを聞かれ「仕方なく教えた…」と彼が話してた。
「今日は約束してないの?」
三人の視線が集まる。それに戸惑いながら、ぽそりと答えた。
「…してるよ。今日はこの後、工房に行くことになってる…」
お参りが何時に終わるか分からないから、終わり次第行くね…と約束してた。
「…だったらもう行きなよ」
「そうそう。俺らに遠慮することないって!」
「もっさんに宜しく!また練習で…って伝えといて…」
三人の顔を見ると、きゅん…と胸が鳴る。
彼と同じくらい価値ある存在の仲間達。
彼等のことを、これからもずっと、大事にしていきたい…。
「…ありがとう。じゃあ私、行くね!」
花壇の淵から立ち上がり、走り出そうとする。
その後ろから声がかかる。
「転ぶなよ!」
「落ち着いて!」
「真由、またねっ!」
振り向いて、それからいつもの合言葉。
「ありがとう!皆、大好きよ!」
…楽しい時も辛い時も一緒だった仲間。これから先、お互いどんな事が待ってても…どんな事が…待ち受けてても…
「また会おうね!」
大きく手を振って走り出す。彼の元へ。
あの『音の生まれる場所』へ ーーーー。
Fin
急に思い出したらしく、夏芽がこっちを向いた。
「らしーぜ」
「もっさんが言ってた」
「へぇー、やったじゃん!」
その言葉にテレる。昨日の練習中、皆に私のことを聞かれ「仕方なく教えた…」と彼が話してた。
「今日は約束してないの?」
三人の視線が集まる。それに戸惑いながら、ぽそりと答えた。
「…してるよ。今日はこの後、工房に行くことになってる…」
お参りが何時に終わるか分からないから、終わり次第行くね…と約束してた。
「…だったらもう行きなよ」
「そうそう。俺らに遠慮することないって!」
「もっさんに宜しく!また練習で…って伝えといて…」
三人の顔を見ると、きゅん…と胸が鳴る。
彼と同じくらい価値ある存在の仲間達。
彼等のことを、これからもずっと、大事にしていきたい…。
「…ありがとう。じゃあ私、行くね!」
花壇の淵から立ち上がり、走り出そうとする。
その後ろから声がかかる。
「転ぶなよ!」
「落ち着いて!」
「真由、またねっ!」
振り向いて、それからいつもの合言葉。
「ありがとう!皆、大好きよ!」
…楽しい時も辛い時も一緒だった仲間。これから先、お互いどんな事が待ってても…どんな事が…待ち受けてても…
「また会おうね!」
大きく手を振って走り出す。彼の元へ。
あの『音の生まれる場所』へ ーーーー。
Fin