ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「そんな顔しないでよ」

あたしはその心配している顔をみて笑い飛ばした。


「あたしは大丈夫だよ」

「本当だろうな」

「本当だってば」


それでも心配しすぎている顔は笑わない。

あたしは翔太に笑ってほしいのに、どうしてだろう。うまくいかない。

姫の前では笑うくせに、あたしの前ではなかなか笑わない。

笑ってる顔が好きなのに、どうしてなかなか笑ってくれないんだろう。


姫の前では、簡単に笑うくせに。


「本当だよ。あたしの魔力じゃない。魔石を使ったから」


「怪我もないし、ね?」とあたしが立ち上がって回ってみせると「それならいいが」と渋々そう言ってくれた。


「しかし、この魔石は凄いな。あの結界魔法を使っても、まだ魔力が残っているのか」


あたしの手のひらの上にあるガーネットを手に取ろうと手を伸ばすと、風にさらわれるようにさらさらと消えてしまった。


「ちょうど魔力を使い果たしてしまったようだな」


何もなくなった手のひらを見つめながら翔太は言う。


「姫の元に帰ろう。これも報告しなくちゃいけない」


翔太はポケットから緑色の機械を取り出した。ジジ、ジジジ、とそれは不気味な機械音を響かせている。


「これが何なのか分かれば、分かるかもしれないな」


それを握りしめて翔太は言う。



「聖獣を解き放った人物が、一体誰なのか」



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