ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
赤い魔方陣は光り出すと、氷に貼り付けられたパイフーを包むように大きくなる。

そして光は強くなり目も開けていられなくなるほど眩しくなって、あたしは姫を守るように抱きしめた。


そして光が消えたころ、目を開けるとパイフーの姿はどこにもなくて、パイフーがいたはずの場所に赤い魔方陣が描かれているのを見つけた。


「翔太…」


翔太は杖を握りしめてまっすぐに赤い魔法陣を見つめていた。

端正な顔立ちのその眉間にはしわが寄っていて、ひどく悔しそうだった。


翔太が悔しがることなんかなにもないって言おうとしたけれど、声をかけることはできなかった。

ただその姿を見ているしかできなかった。


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