ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
冷たい氷の目が、あたしを見下ろす。

それからもう一度パイフーを見つめると翔太は舌打ちした。

悔しそうに、舌打ちした。

それから苛立ちをぶつけるみたいに「"アイス・グランド"!」と叫ぶ。


「"アイス・スピア"!"アイス・ウォール"!」


立て続けに繰り出される魔法の数々は、身も凍る冷たさで、かじかむように、鋭くて、強くて、怖い。

それはそう、まるで、ソルテリッジで会ったときのように。

熱を知らない凍てつく魔法は怖くて、でもどこか寂しそうで、悲しそうで。


「翔太…」


あたしは、ただその名前を呼ぶことしかできなかった。


凍てつく氷の魔法の数々はその威力も強く、あっという間にパイフーを圧倒した。

翔太の作り出した氷がパイフーの四肢を押さえつけて身動きを封じて。

翔太はパイフーに近づくと氷のように冷たい目で見下ろし首元の緑色の機械を千切るように取ると「やはりか」と吐き捨てた。

それから胸ポケットから赤い魔法石ガーネットを取り出すとそれを掲げて叫ぶ。


「"力を秘めし石よ 我に応答せよ"」


ガーネットは赤い光を放つ。

不気味で、無機質で、怖くて、でもどこか優しい。

そんな不思議な光。


「"聖獣パイフーをこの地に封印し

この国に永久の幸福を与えよ

結界魔法"!」
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