ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
その瞬間、チーリンの周りに魔方陣が広がった。

白い魔方陣が光ながら幾重にも広がって、風が吹き荒れる。


『ああ、これでようやく役を果たすことができる』


その声はまるで心から安堵したような声だった。

魔方陣が強く光る中、チーリンはあたしに問うた。


『お前、名は?』


あたしは真っ直ぐにチーリンを見つめた。


「"ガーネット"の由良です」


『__覚えておこう』


チーリンが目を閉じたその時、魔方陣はまた強く光り風も強く吹く。

とても目を開けていられなくなって、思わず腕で目を覆う。

まるで光に飲み込まれるように、辺り一帯が白い光に包まれた。


やがて光が消え目を開けるとそこにチーリンの姿はなかった。

チーリンが最後に立っていた岩場には封印の証として、複雑な白い魔方陣があるのを見つけた。

それを見てチーリンを封印することができたんだと確信したあたしは、崩れ落ちるようにその場に座り込む。

ほっと安心したのもあるけれど、チーリンのための結界魔法に随分と魔力をとられてしまった。


「由良!」


翔太が駆け寄ってあたしの肩を抱く。


「大丈夫、ちょっと魔力を消費しすぎただけ」


笑ってみせたのに、翔太は笑わない。


「だから、なんでお前はこんなときにまで笑うんだよ、馬鹿」

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