ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
『何も分からぬ。分からぬままこの場にいた』

それからチーリンはふわりと浮き上がると、近くの岩場に音もなく飛び乗った。


『我の役目はこの地に眠り、この地を永きに渡って守り続ける礎となること。その役目を果たさねばならん。そのためには我を守る強固な結界を築かねばならぬ』


おそらくその結界が封印のことなのだろう。


『主らが我を守る結界を貼れ』


あたしと翔太は顔を見合わせた。2人ともそんなことはできないと思ったんだ。


「そんなすごいもの、あたし達にはできません!そもそも何の結界魔法を使えばいいのか…」


建国前の偉大な魔法使いが作った結界と同程度かそれ以上の高度な結界魔法。それを専門的知識をもたないあたし達が張るだなんてほとんど不可能だ。


『主らにしてほしいのだ』


チーリンは言う。


『我を救おうとしてくれた主らに』


ここまで言われたなら、やるしかない。翔太の顔を見ると、翔太も同じことを思っていたようだった。

あたしと翔太はチーリンに向かって杖を掲げた。


「"この地を守りし聖なる魔物

黄金の麒麟 チーリンよ

天より賜りし聖なる力をここに留め

再び深く永い眠りにつきたまえ

我らこの地に住まう者を

永きに渡りて守護する礎となれ

結界魔法"!」

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