溺惑バレンタイン(『恋愛遺伝子欠乏症 特効薬は御曹司!?』番外編)
エレベーターホールに着いたとき、亜莉沙は航の広い背中に問いかけた。
「航さん、怒ってる……?」
振り返った航が亜莉沙の泣き出しそうな表情を見て、片手で顔を覆って天を仰いだ。
「くそ」
そのつぶやき声を聞いて、亜莉沙は本当に泣きたくなってきた。このまま一緒にいていいんだろうか。
うつむいたとき、エレベーターの扉が開いて航が乗り込んだ。けれど、亜莉沙はその場から動けなかった。このまま帰りたくない、このままさよならしたくない。
「亜莉沙?」
航は閉まりかけた扉を片手で押えると、反対の手を亜莉沙に向かって伸ばした。その手を取らず、亜莉沙はぽつりと言う。
「私……今日は帰った方がいいのよね?」
亜莉沙はうつむいたまま両手をお腹の前でギュッと握った。航が無言でエレベーターを降りてきたかと思うと、いきなり亜莉沙を横抱きに抱え上げた。
「きゃ、わ、航さん?」
突然のことに驚く亜莉沙を、彼はしっかりと抱く。
「帰さない」
見上げた彼の顔は真剣だった。
「どうして……」
あんなに時間を気にしてたのは、早く一人になりたかったからじゃないの……?
「航さん、怒ってる……?」
振り返った航が亜莉沙の泣き出しそうな表情を見て、片手で顔を覆って天を仰いだ。
「くそ」
そのつぶやき声を聞いて、亜莉沙は本当に泣きたくなってきた。このまま一緒にいていいんだろうか。
うつむいたとき、エレベーターの扉が開いて航が乗り込んだ。けれど、亜莉沙はその場から動けなかった。このまま帰りたくない、このままさよならしたくない。
「亜莉沙?」
航は閉まりかけた扉を片手で押えると、反対の手を亜莉沙に向かって伸ばした。その手を取らず、亜莉沙はぽつりと言う。
「私……今日は帰った方がいいのよね?」
亜莉沙はうつむいたまま両手をお腹の前でギュッと握った。航が無言でエレベーターを降りてきたかと思うと、いきなり亜莉沙を横抱きに抱え上げた。
「きゃ、わ、航さん?」
突然のことに驚く亜莉沙を、彼はしっかりと抱く。
「帰さない」
見上げた彼の顔は真剣だった。
「どうして……」
あんなに時間を気にしてたのは、早く一人になりたかったからじゃないの……?