溺惑バレンタイン(『恋愛遺伝子欠乏症 特効薬は御曹司!?』番外編)
「何だよ、それ」
「だって、クリスマスに浮気相手と掛け持ちされたって人がいたって……」
「はぁ?」
航がわけがわからない、というように眉を寄せた。
「年末からずっと忙しくて、やっとゆっくり過ごせると思ったのに、そんなふうに時間ばかり気にされたら、ヤだ……」
亜莉沙の声が小さくなり、航が前髪をくしゃりと掻き上げた。
「仕事や結婚式の準備でなかなか二人で過ごせる時間がなかったのは知ってる。それは仕方ないだろ。だけど……」
亜莉沙は航の言葉を遮る。
「仕方ないなんて言わないで!」
会えなかったことを仕方ないと言われているのだとはわかる。でも、結婚式の準備が仕方ないと言われているようにも聞こえて、亜莉沙の気持ちがますます乱れる。
「亜莉沙……」
航に困ったような表情をされて、亜莉沙は口をつぐみ、一度深呼吸した。
「ごめんなさい、忘れてください。部長ともなれば、スケジュールも分刻みで忙しいものね。それなのに結婚式の準備に航さんが協力してくれてること、すごく嬉しいって思ってるの」
「だって、クリスマスに浮気相手と掛け持ちされたって人がいたって……」
「はぁ?」
航がわけがわからない、というように眉を寄せた。
「年末からずっと忙しくて、やっとゆっくり過ごせると思ったのに、そんなふうに時間ばかり気にされたら、ヤだ……」
亜莉沙の声が小さくなり、航が前髪をくしゃりと掻き上げた。
「仕事や結婚式の準備でなかなか二人で過ごせる時間がなかったのは知ってる。それは仕方ないだろ。だけど……」
亜莉沙は航の言葉を遮る。
「仕方ないなんて言わないで!」
会えなかったことを仕方ないと言われているのだとはわかる。でも、結婚式の準備が仕方ないと言われているようにも聞こえて、亜莉沙の気持ちがますます乱れる。
「亜莉沙……」
航に困ったような表情をされて、亜莉沙は口をつぐみ、一度深呼吸した。
「ごめんなさい、忘れてください。部長ともなれば、スケジュールも分刻みで忙しいものね。それなのに結婚式の準備に航さんが協力してくれてること、すごく嬉しいって思ってるの」