最後の恋愛Ⅱ
第11章 「ラウンド2!あ~ん対決!」
大麦の顔が近付いてくる。

ドキンドキンと胸が鳴っていた。

「大和・・・」

大麦が形の良い唇で私の名前を囁く。

きゅうっと胸が締め付けられるみたいに感じて―、もう、手遅れなのかもしれないなって思った。

言い訳できない。

日下部さんにまでヤキモチを妬いている自分と、大麦に魅入られてる自分を自覚してしまったから―

私は・・・この最低男を・・・

大麦の唇が重なろうとしている。

そのまつげの長さまで確認できる距離に来て、私は薄く目蓋を閉じた。

「隼人さん、見っけっ!」

!!!

その声に、私は思わず大麦の胸をついて体を離した。

引き戸が開かれて、そこにはいるはずのない・・・姿があった。

「如月さんっ?!」

慌てて服を整えて、大麦を見上げた。

大麦は、くしゃっと髪をかき上げて、チッと舌打ちすると言った。

「お前なぁ・・・。」

「どこに隠れても、愛の力でお見通しなんだからっ!」

ああ・・・

愛の力=お金の力、であることは間違いないけど

ん?

携帯にラインの着信履歴あり。


すみません
阻止できずです・・日下部


まさかの張り込みか・・・?

ありえない執着力。。もはや執念とも呼べるな。
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