最後の恋愛Ⅱ
第12章 「オフィスで」
翌日、日下部さんと柳生さんがあまりにも何も言ってこないから、少し怖くなったりもしつつ

こっちから何か言うのも変だしと、考えて放置。

けど、たぶん私はもう、堕ちてる。

大麦の底知れない好き好き攻撃に・・・

参った寸前だ。

週末まで、待たなくても―、本当は、私も気持ちは決まっているのかもしれない。

考えるよりも

躊躇っているよりも

本能の方が、確かだ・・・

・・し、多分、柳生さんも日下部さんも・・・もしかすると大麦自身もそう思ってるかもね。

それでも、いやまだまだ!と何とか渋ってるのは・・・

何でなんだろう・・・

やっぱり、信じるのが怖いから―なのかな。。。

大体、もやもやとしている状況が続いていたって、はっきり言って仕事に支障をきたすばかりで、いいとこなんかひとつもない。

本当に・・・。

私が、馬鹿なのかも。

「森さん?」

はたっと我に返る。

ああ、またまた妄想の世界にトリップしてた。

「あ、ああ、柊くん、何?」

営業戻りの柊くんが、ネクタイをくいくと指先で緩めながら言う。

「あの、所長が呼んでますけど?」

「え・・?」

と、視線を隣に向ける。
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