最後の恋愛Ⅱ
ハイ

アハハと笑い返す余裕もなく、紅くなった私はただ俯くばかり。

駆け出したい気持ちと戦いながら、とりあえず大麦の隣で立ち尽くす。

「柊、お前分かってないな。」

「え・・・?」

「大和みたいにイイ女が、俺みたいなのに惚れるわけないだろ。」

「それは・・・つまり―」

大麦は、ちらっと私を見下ろして、腕を組んで少し首をかしげて言った。

「俺が、大和に惚れてんだよ。」

どきん

胸が、明らかにその言葉に反応する。

あああ

その目・・・
それ反則だよ

挑むような狩をしている獰猛な獣みたいな・・・そんな瞳で、私を見るなっ!

ふいっと顔を反らして、私は大麦の視線から逃れた。

ううう

ダメだ!

もう、ここにはいられない!

「で、柊、資料訂正できた?」

ん・・・?

訂正・・・?

「あ、はい。できました。」

そう返すと、資料を大麦に差し出した。
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