最後の恋愛Ⅱ
よし、できた！

出来上がった資料を印刷して、それから大麦のところに持っていく。

「お待たせしました。」

大麦はああ、と言って資料を受け取る。

「さすが森くん。半日で完璧だね。」

「柊くんが整理してくれてたおかげです。」

社交辞令の言葉の交換をして、それから大麦は資料から顔を上げた。

「じゃあ、会議室とってくれる？」

これまで見慣れたはずの大麦の目力に気圧されそうになる自分がいる。

いやいや！

しっかりしろ私。

遊ばれてどうする！

「はい、３時からでいいですか？」

「ああ」

あと１５分後。

「資料は何部用意します？」

「６部かな。」

「分かりました。日下部さ」

「あ、その資料まだ機密だから森くんがやってくれる？」

「はい、分かりました。」

事務的な会話を続けた後、再びコピー機のもとへ。

言われたとおり６部用意した資料を第４会議室へ持っていく。

デスクの上に資料を並べて、時計を確認。

うん、５分前。

完璧、間に合った。
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