最後の恋愛Ⅱ
「ねぇねぇ、まずはね、弥生お茶飲みたいの。中に、有名なカフェがあるんだって、行きたいなぁ。」

はぁ?

遊園地に来て、まずはお茶?

何をふざけたことを言ってるんだ!

まずは、列ができそうなところに先回りだろ―って、何を考えてるんだ、私!

そこじゃないだろ、そこじゃ!

「あ、わ、私も!」

って、もうちょっと可愛い言い方ないかなぁ!

あ~自分で自分が分からない・・・コントロール不可能・・・

いやいや!

だが、まだはじまったばかり!

そうだ、待て!

大麦の腕だ!

私も大麦の腕をとるのだ!

自ら、この左腕を・・・を・・・

歩き出した二人の後ろをトロトロと追いつつ、その腕を見て思案する。

手を伸ばそうとして、戻す。

手を伸ばそうとして、戻すの繰り返し。

どうしても、決断できず、ああ、うう唸っているだけだ。

「―きた?」

唐突に話しかけられて、慌てて顔を上げた。

大麦が振り返り、言う。

「朝ごはん食べてきた?」

「あ、いえ・・・」

首を振って答える。

支度に忙しくて、とてもそんな時間はなかった。
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